肝斑治療とハイドロキノンについて
肝斑を薄くするにはトラネキサム酸が一番有名ですが、シミやくすみ治療に必ず使われる美白の王様ハイドロキイノンクリームの効果を説明します。
まず肝斑を簡単に説明すると、20〜40代の女性の顔に左右対称で現れる薄めのシミで、頬骨の周りに出やすく、ぼやっとした感じのシミで輪郭はシミ（老人性色素班）ほどはっきりしません。
主要な原因は女性ホルモンのバランスの乱れで、シミは紫外線への露出によるメラニン色素の沈着とは異なります。
ただし紫外線を沢山受けると肝斑が濃くなることがあります。
シミと肝斑の治療法のまとめについてお話します。
シミを薄くするにはハイドロキノンとトレチノインの美白コンビが定番です。
メラニン色素が沈着するメラサイトをトレチノインのターンオーバー作用で浮き上がらせてハイドロキノンの漂白作用でシミを消すんですね。
シミをレーザーで薄くするレーザー治療もシミではありですが、ハイドロキノンなど美白医薬品よりも経済的な負担は大幅に上がります。治療費がかさむんですね。
対して肝斑を薄くするにはトラネキサム酸が一般的です。トランシーノという第一三共のサプリメント（医薬部外品）で有名になった肝斑治療の成分ですが、老人性色素班（シミ）にも効果があることがわかっています。
ただトランシーノはトラネキサム酸の配合量が低いため医薬部外品でどこでも買えるのですが、美容クリニックや皮膚科では高濃度のトラネキサム酸（医薬品）を使います。
肝斑の治療にはトラネキサム酸以外にハイドロキノンを併用すると効果が早くなるとされています。肝斑はシミよりも肌の深層にメラノサイトが形成されてそこにメラニン色素が沈着します。
2013年に発表された肝斑治療に関する論文によると、肝斑治療に最も有効な成分はトレチノイン、ハイドロキノンとフルオシノロンの3つの医薬品成分だったようです。
ハイドロキノンとトレチノインの併用はシミに最も効果が高いというのは定番ですので、ハイドロキノンはシミだけでなく肝斑にも効果があるというのは認められています。
トラネキサム酸とハイドロキノンとの併用についてお話します。
肝斑治療にハイドロキノンとトレチノインクリームが効果的とはいえ、やはり肝斑の第1選択にはトラネキサム酸が必須のため、あくまで両薬の併用がより効果的ということです。
まずトラネキサム酸がメラニン色素を作り出すメラノサイトという細胞の働きを抑え込んでメラニン色素生成と沈着を阻止します。
同時にトレチノイン成分が既に肌の深層に沈着したメラニンを肌のターンオーバー機能で浮き上がらせて、ハイドロキノンがメラニンを薄くしますので、トラネキサム酸が肝斑の悪化を阻止し、ハイドロキノンとトレチノインが既存の肝斑を薄くすると覚えておきましょう。
最近では、美白セットのハイドロキノンとトレチノインが両方配合された便利なコスメライトクリームが製造されており、シミや肝斑治療を自宅で行うのも手軽になりました。
肝斑治療に使うハイドロキノンのまとめについてお話します。
紫外線をたくさん受けると肌の深層にあるメラノサイトという細胞がメラニン色素を生成して肌を更なる紫外線から防御します。
その過程で肌が黒く焼けるのですが、若い時は肌の若返り（ターンオーバー）が早いため焼けた肌が剥がれてメラニン沈着のない若い肌に変わります。
ただしそれでも紫外線を受け続けると加齢で肌の若返りがついてこれずにメラノサイトにメラニンが生成されてターンオーバーで剥がれる前に沈着して剥がれなくなり、これがシミの原因です。
ハイドロキノンはメラニン生成を阻止して、同時にメラニン色素の生成する親玉メラノサイトを壊すことでなかば強引にシミを消します。
この作用がハイドロキノンが美白剤の王様と言われる所以です。
ハイドロキノンの効果効能についてお話します。
基本はシミ（特に老人性色素班）の治療に用いますが、肝斑に治療にもトラネキサム酸、トレチノインの併用で用いられます。
もちろんシミは顔だけじゃないため背中や顔以外のシミを薄くするにも使われます。
ハイドロキノンは単体で使うことは少なく、常にトレチノインと一緒に使うことで効果を早めることができます。
トレチノインで肌のターンオーバーを促進してシミや肝斑治療を短縮化すると同時に、ハイドロキノンは強力な作用があるため2ヶ月以上は使わない、短期間の美白治療に使われます。
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